総合商社の実力の見分け方

総合商社の実力を一目で見分ける方法がある。「受取配当金」と「持分法投資損益」を確認すればいい。あくまでも「純利益」などを含めて総合的に判断するのが基本だが、受取配当金と持分投資損益の黒字額には、各社の力量やグループの経営状況がはっきり示される。

総合商社は商品の取り扱いで手数料を得る〝仲介ビジネス〟中心から、成長が見込まれる分野や事業への投資・参画という〝投資ビジネス〟にシフト。子会社や関連会社、それに投資先から配当金や利益の還元を受けるビジネスモデルを築き上げてきた。それだけに、受取配当金と持分法投資損益は重要な指標である。

受取配当金は子会社や関連会社、出資会社などから親会社に支払われた金額を確認するために、単体ベースの数値を使用する。

持分法投資損益は連結決算特有のもので、関連会社の利益を投資比率に応じて取り込む。子会社の利益は基本的に合算するが、関連会社の場合は、部分的にグループ利益に貢献するわけだ。

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5大総合商社が所有する資産は?

住友商事が再開発を手がける東京・神田の東京電機大学キャンパス跡地

三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)の5大商社が所有する有形固定資産を確認してみました(17年3月期)。

有形固定資産は、土地や航空機、船舶、鉱山資源などの資産をいい、基本的には帳簿価額です。

有形固定資産のなかでも鉱山資源が1兆円超と、他社を圧倒しているのが三菱商事です。

三菱商事の稼ぎ頭は豪州原料炭事業ですが、同事業を展開しているMDPの設立は1968年。1000億円を投じて、資源メジャーのBHPビリトンと合弁で世界最大級の原料炭生産企業のBMAをスタートさせたのは2001年です。その鉱山資源の帳簿価額はおよそ1兆円と、10倍になったことで他社を圧倒しています。

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5大商社のキャッシュベースの経営状況は?

三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)の5大商社のこれからを見るうえで、キャッシュの流れにも注目したいものです。

具体的には、営業活動でのキャッシュの入金(営業活動によるキャッシュフロー)と、投資活動での出金(投資活動によるキャッシュフロー)のバランスです。

 

営業活動でのキャッシュの入金は、本業でどれだけの入金があったのか(いくらのキャッシュを創出したか)を示したいます。

商品売上やサービスの提供で得たキャッシュから、仕入代や人件費、税金などを引いたものです。黒字が大前提です。

 

投資活動でのキャッシュの出金は、企業の買収や設備投資に投じたキャッシュです。正確にいえば、子会社や工場、有価証券の売却などにともなう入金との差額を計算しますが、入金より出金が多い「△=出金超」が一般的です。

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5大商社の稼ぎ頭の事業は?

三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)の5大商社の稼ぎ頭はそれぞれです。17年3月期における各社の事業別の取込み利益額のトップを確認してみましょう。

 

三菱商事は豪州での原料炭事業、三井物産は豪州での鉄鉱石事業、住友商事はジュピターテレコム事業、伊藤忠商事は中国CITICとの共同事業関連、丸紅が海外電力事業による利益が最も多かったとしています。

 

三菱商事の場合、鉄鋼製造の材料となる原料炭を扱っている豪州原料炭事業が、16年3月期は価格の下落にともない571億円の赤字に転落したこともあって、グループ全体でも1493億円の赤字を計上しました。

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どうなる銀行③―3大銀行はなぜ構造改革を打ち出したのか?

大規模な構造改革を打ち出した3大銀行グループ。グループの中核を担う三菱東京UFJ銀行みずほ銀行、三井住友銀行の有価証券(株式・債権)の保有推移も確認しておこう。

3行は毎年2000~4000億円台の有価証券利息配当金を計上しているが、保有する有価証券内訳では、国債の保有が半減から7割減と大幅削減になっているのが目立つ。

日銀による国債の大量購入で、銀行にとっては安全性や現金化などの面で極めて利便性が高かった国債市場がほぼ消滅したということ。国債に代わって外国債券・株式の保有を増やしていることは明らかだ。

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