住友商事が再開発を手がける東京・神田の東京電機大学キャンパス跡地
三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)の5大商社が所有する有形固定資産を確認してみました(17年3月期)。
有形固定資産は、土地や航空機、船舶、鉱山資源などの資産をいい、基本的には帳簿価額です。
有形固定資産のなかでも鉱山資源が1兆円超と、他社を圧倒しているのが三菱商事です。
三菱商事の稼ぎ頭は豪州原料炭事業ですが、同事業を展開しているMDPの設立は1968年。1000億円を投じて、資源メジャーのBHPビリトンと合弁で世界最大級の原料炭生産企業のBMAをスタートさせたのは2001年です。その鉱山資源の帳簿価額はおよそ1兆円と、10倍になったことで他社を圧倒しています。
資源商社と呼ばれる三井物産は1842億円、非資源が主力の伊藤忠商事は356億円にすぎません。それだけに、三菱商事は豪州での原料炭事業の資産価値は大きいということ。巨額の利益を実現してきたのも事実です。
三菱商事は主にリース用に所有している航空機や船舶の資産価値で他社を大きく引き離しています。
土地資産で圧倒しているのは、三井物産です。他の4社の合計を上回る5436億円です。
本社の資産でいえば、以下の通りです。
三菱商事 土地699億円 建物130億円。
三井物産 土地564億円 その他251億円
伊藤忠商事 土地253億円
丸紅 土地684億円
本社の資産価値を計上していたな住友商事は、東京電機大学神田キャンパス跡地の資産価値を678億円と計上。オフィスや商業施設などの複合ビル、マンションを開発中です(写真)
有形固定資産には含まれませんが、「生物資産」として三菱商事は672億円、住友商事は125億円ほど計上しています。
三菱商事の場合は、ノルウェーのサケ・マス養殖事業、住友商事はニュージーランドの森林を生物資産として計上しているようです。
【三菱商事】
有形固定資産 2兆4847億円 うち土地 2174億円 うち航空機・船舶 3394億円 うち鉱山資源 1兆0879億円 生物資産 672億円 |
【三井物産】
有形固定資産 1兆8234億円 うち土地 5436億円 うち航空機・船舶 884億円 うち鉱山資源 1842億円 |
【住友商事】
有形固定資産 7958億円 うち土地 906億円 うち鉱山資源 356億円 生物資産 125億円 |
【伊藤忠商事】
有形固定資産 6803億円 うち土地 1004億円 うち鉱山資源 340億円
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【丸紅】
有形固定資産 9683億円 うち土地 730億円
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